新型コロナウィルスの影響でリモートワークの需要が増えるなか、zoomなど使いやすいオンライン会議アプリが注目されています。
実は、VRの会議アプリも有料のものから無料のものまで、色んなものがあるのはご存知でしょうか?
そこで、日本一熱いVRエバンジェリストのきっしーが、おすすめのVR会議アプリを紹介します。
Bigscreen beta
2014年に起業したアメリカの Bigscreen 社が提供する、無料で利用できるVR会議アプリです。
メインは、映画などの映像を大画面で友人と共有して見るVRのソーシャルアプリですが、パソコンの画面を共有してコミュニケーションを取れるためVR会議にも活用できます。
OculusGoやOculusQuestなどの安価なゴーグルでも利用可能で、操作が非常に簡単なので、社内会議などビジネスシーンでの利用に最適です。
3Dモデルのインポートや議事録作成など、複雑な機能はありませんが、パソコンの画面を共有してプレゼンテーションを行ったり、パソコンのブラウザでインターネットの情報を紹介したりなど、基本的な会議は揃っています。
私も内部の打ち合わせでbigscrennをいつも使っています。
パソコンの資料を共有して会話中心の会議を行う場合はおすすめです。
公式サイト: https://www.bigscreenvr.com/
こちらの記事で導入から使い方まで詳しく紹介していますのご覧ください。
VRChat
2017年からアメリカのVRChat社によって提供されている無料のVRのコミュニケーションアプリです。
VR業界では一番有名といってもいいぐらいの人気を誇る、VRソーシャルアプリですが、Bigscreenなどと比べて、マニアックな人達が集まるアプリなので、自由度が高い分、初見の人には使いづらいかもしれません。
OculusGoやOculusQuest などの安価なゴーグルで使えるのはもちろんですが、HTC ViveやWindows Mixed Realityなど多くのVRゴーグルに対応しているのが特徴です。
VR会議として使う場合の問題点は、設定項目が多すぎて、会議に参加するまでの敷居が少し高いと思います。
利点としては、unityで作成したデータをアップできるため、会議の部屋を自作することも可能です。
2019年にzozoがイベントで、青山にあるオフィスをVRchat内で忠実に再現してプレゼンを行ったことも話題となりました。
コミュニケーションを行うだけではなく、部屋内でUnityのプログラムを動かすことができるので、ゲームのようにみんなでバスケットボールを楽しんだり、活用方法は無限大です。
何でもできるVRChatですが、ビジネス向けの会議に特化していないため、パソコンの画面共有や3Dモデルの共有などの会議向けの機能はないです。
また、注意点として、部屋のデータをアップロードするには、トラストランクといわれるユーザーランクを上げる必要があります。
これはフレンド数を増やしたり、プレイ時間がかなり(数十時間以上)必要だったりするので、一見さんお断りのような世界観があります。
VRなどの開発を行っていてUnityに詳しいSEがいる会社などが活用したい場合はおすすめです。
公式サイト: https://vrchat.com/
Rumii
アメリカのDoghead Simulations社が制作するビジネスや教育分野に特化した有料のVR会議アプリです。
有料アプリではありますが、月2000円程度/ユーザーとビジネス用途のVR会議アプリでは比較的安価です。(3ユーザーまで無料で利用できます)
パソコン画面や3Dオブジェクトの共有をして、会議を行うことが可能です。
アバター作成もビジネス向けにカスタマイズされており、会社での導入も比較的簡単です。
また、会議用途だけではなく、学校での活用シーンも想定されており、オンライン授業としての活用も可能なので、遠隔での社内講習会にも活用できそうです。
OculusGoやOculusQuestなどの安価なゴーグル から、HTC ViveなどのVRゴーグルの他、スマホのアプリにも対応しています。
今年の夏頃を目処にAPIを公開するようなので、今後はさらに使いやすくなるかもしれません。
問題点は、日本語化されていないのと、人気の OculusQuest ではSideQuestという非公式のアプリを使用して導入しなければいけないため、少し知識が必要です。
また、BigscreenやVRChatと比べると少しマイナーなアプリとなり、3Dオブジェクトの読み込みエラーなど、少し不安定なところもあります。
安価に本格的なVR会議アプリを導入したい会社におすすめです。
公式サイト: https://www.dogheadsimulations.com/rumii
NEUTRANS BIZ
日本のスタートアップ企業である株式会社Synamonが、2019年から提供する国産ビジネス向けのVR会議アプリです。
昨年KDDIなどから2.4億円を調達したことでも有名な会社ですが、5G通信の普及の鍵ともなりそうです。
機能としては、パソコン画面の共有や3Dオブジェクトの共有のほか、VR空間のオブジェクト掴んだり投げたりなど、様々な機能があります。
その他、合同研修や面接など、他のアプリと比較して日本のビジネス風土に合わせたカスタマイズがされているようです。
2019年に発表されている情報だと、初期導入費用が100万円で利用料が月1万円/ユーザーで、最低5ユーザーからの契約なので、初期投資で年間160万円+ハード費用が必要なので、気軽に導入できる価格ではないですね。
出張での打合せが多く、確実なコスト削減とセキュリティ対応が求められている会社での導入がおすすめです。
公式サイト: https://neutrans.space/product/biz/
Vive Sync
台湾の大手スマートフォンメーカーであるHTCが提供するビジネス向けのVR会議アプリです。
一般的にはあまり知られていませんが、HTCはViveというVRゴーグルで世界シェアで1~2位を争う超有名メーカーです。
2年前ぐらいから、機能を追加しながら公開されていますが、 新型コロナウィルスの影響で大々的にプレスリリースを行ったようです。
しかしながら、使用できるVRゴーグルがViveのゴーグルしか対応しておらず、スマホ版や他社製のものは今後対応していく予定だそうです。
機能は、3Dオブジェクトの共有とPDFなどのファイルを共有するだけで、パソコン画面の共有ができないため、これからといったところでしょうか。
利点としては、Androidとios向けにアバター自動制作アプリが公開されており、自撮りの顔写真から自動的に3Dアバターを制作してくれます。(ただし、私が制作した時はあまり似ていなかったです・・・)
また、メモ機能でリアルタイムで会話の文字起こしを行えますが、非常に精度が高いです。恐らく、有名どころの音声認識エンジンを使用していると思いますが、実用的なレベルです。
料金は有料ですが、2020年中に限り無料で公開しています。
他のアプリと比べグラフィック面での品質が高くUIも洗練されているため、これからの開発次第で評価は変わってくると思います。
ViveのVR機器を導入している会社におすすめです。
公式サイト:https://sync.vive.com/
番外編・NTTデータが開発中のVR会議アプリ(2020年リリース予定)
2019年にプレスリリースで発表されているNTTグループが開発中のVR会議アプリです。
既存の情報では、音声認識によるリアルタイムの議事録作成や外国語の翻訳など、日本のビジネスシーンに特化した機能があるようです。
パソコンの画面共有やローカルサーバのファイル共有など、セキュリティーに配慮した情報共有もできそうなので、使いやすさ次第になりますが、大手企業に受け入れられうのではないかと予想されます。
今後の業界動向
VR業界最大手のfacebookが今年リリース予定のソーシャルアプリ「Facebook Horizon」がリリースされれば、VR会議アプリの市場を独占されてしまうかもしれません。
Facebookは業界大手のoculus社を2014年に3500億円で買収したと言われてており、昨年はVR関連分野の開発に2兆円をつぎ込むなど、他社と比べて規模が違います。
また、facebookはInstagramも含めて、世界最大規模のプラットフォームを持っており、このプラットフォームの圧倒的数を持ってVRプラットフォームの構築に成功したらまず勝てないでしょう。
以上、2020年VR会議でおすすめのアプリと今後の業界動向を紹介しました。
今までzoomやskypeなどでweb会議を行っている延長でVR会議を試す場合は、Bigscreenが一番使いやすいと思います。
ぜひVRをリモートワークのツールとして活用してみてください。
もし、VRの活用でわからないことがあれば、私どもにご相談ください。