今月、海外のレビュアーを賑わせている新型VRゴーグルのPICO NEO 2ですが、日本ではあまり情報が出回っていません。
そこで、すでに入手している海外レビューアーの情報から PICO NEO 2の詳細を解説していきます。
PICO NEO 2は国内初のワイヤレスVRゴーグル!!
PICO NEO 2 はOculusQuestの対抗として、最新の機能を盛り込んだ6DOFのスタンドアローンゴーグルとして発表されています。
しかし、実はこのゴーグル、国内初のパソコンのVRコンテンツをWiFiを使ってワイヤレスで体験できる機能が搭載されています。
海外では Vive proなどのゴーグルでwirelessアダプタを購入する事でワイヤレスで体験することができましたが、無線に関する法律の関係で日本では使用不可となっていました。
そのため、ワイヤレスでのVRゴーグルを待ち望んでいたユーザーには待望のゴーグルとなります。
日本で導入できない詳しい理由はこちら
OculusQuestでもワイヤレスには出来るが・・・
人気のOculusQuestで非公式アプリ「ALVR」を使えばワイヤレスで体験できましたが、非公式なので設定が難しく敷居は高いです。
私も試しましたが、環境によって細かい設定を調整しなければいけないので、ビジネスの場面で使うには難しい印象です。
なので、PICO NEO 2が日本で正式にワイヤレスVRを実現する初めてのゴーグルとなっています。
どんなユーザー向けのVRゴーグルか?
公式にはエンタープライズ(企業)向けとアナウンスしていますが、VR体験施設などでワイヤレスゴーグルを望んでいる企業だけではなく、 ワイヤレス環境でVRゲームを楽しみたい個人にもおすすめできると思います。
ワイヤレス以外に良い点は?
他のVRゴーグルは革新的な機能を取り入れたものを開発しようとしているのに対して、多くのVRゴーグルの良い点をアップグレードして上手く取り入れた機能、性能となっているようです。
具体的には
高画質パネル
4Kの液晶パネル( 1眼あたり1,920×2,160)を導入しています。
既存のVRゴーグルは、OculusQuest(1眼あたり1,440 × 1,600)でハイエンドのPCゴーグルのVALVE INDEX( 1眼あたり 1,440 ×1,600)なので、スペック上は非常に高いです。
処理能力
最新のCPUを導入していますが、OculusQuestのSnapdragon 835と4GBのRAMに比べて、PICO NEO 2はSnapdragon 845で6GBのRAMとなっているので、確実に処理能力が高いです。
アイトラッキング機能
アイトラッキング機能を搭載したバージョンを準備しています。
デモではアイトラッキングの精度は良好で瞬きなども認識しているので、これによりVRでの会話などで目の動きが再現出来ることでより、VR上のコミュニケーションがよりリアルになります。
また、見ている箇所をポイントで示すことができるため、コンテンツ内の選択などを視線で行い、瞬きで決定するなど直感的に操作することが可能になると思います。
ゴーゴルのクッション素材
VRを体験するなかで問題となるのは、汗でクッション部分が汚れるたり水分を含んで不快になるというのがあると思います。
特に展示会やデモなどで複数人が体験する場合、前の人が体験した後にクッションが汗でしっとりしていて非常に不快に思う人も多いと思います。
PICO NEO 2は合成皮革のような素材になっていて、消毒スプレーなどで拭いて清潔に保つことができる素材になっているそうです。
ゴーゴルの重さ
バッテリーをゴーグル装着の後ろ部分に設置することで重さのバランスを保ち、顔の前部分にかかる重さを軽減することで、ゴーグルの体感の重さを軽くしています。
これはhololens2のパクリだと思いますが、他社で良かったものを素直に取り入れるのは評価できます。
コントローラーのトラッキング
外部SDカードの利用
PICO NEO 2はなんとSDカードスロットが用意されていて、最大256GBの独自SDカードを利用することが出来ます。
OculusQuestは外部SDカードは使用不可となっていて、容量も32GBと64GBしかないため、展示会やデモなどで多くのコンテンツを披露する場合など支障が生じていましたので嬉しい機能です。
コントローラーのトラッキング
インサイドアウト方式のコントローラーのトラッキングは光学式を取り入れているため、丸い輪っかのような部分があり非常にかさばっていましたが、PICO NEO 2は電磁式のトラッキングを取り入れているため非常にすっきりしたデザインとなっています。
開発者によると、電磁式は昔から医療機器でも使われている方式なので、安全面やトラッキング性能など信頼できるものとなっているそうです。
複数のレビュアーの方がコントローラーをぶん回していますが、トラッキングに問題はないようです。
ただし、 今年1月に開催されたCES 2020でmoguraVRのすんくぼさんが体験した時にはOculusQuestと比べて若干遅延があるようです。
マイナス点は?
機能は良いと思いますが、後ろから見るとデザインがダサいです。
また、インサイドアウト方式のトラッキングですが、トラッキングを行うカメラの数が2個と少ないので、実際のトラッキングがどの程度正確なのか気になります。
実際にレビューアーの話では、OculusQuestよりもトラッキング性能が落ちるが、ゲームのプレイには支障がない程度だとの事。
カメラ2個でトラッキングはWindowsMRのOdysseyやHP Reverbなどがありますが、WindowsMR自体がエラーが頻発して使いずらいという印象があります。(odysseyはほとんど出番なく倉庫に眠っています)
コンテンツ配信のプラットフォーム
メインの使用方法がスタンドアローンのゴーグルですが、アプリ配信はプラットフォームを介してとなります。
例えばスマホであれば、Google playやアップルストアのように、ハード毎に配信のプラットフォームがあります。
PICOシリーズはviveやsteamのプラットフォームのアプリも使用できるため、多くのアプリが利用できますが、販売シェアが低い分、正式に動作が対応するアプリの種類は少ないと思われます。
販売はエンタープライズ(企業向け)のみ
残念ながら個人向けの販売は行っていないようですが、公式ホームページや代理店であるエルザジャパンのホームページから購入予約が出来るようです。
これは、対応アプリが少ないので自社アプリを開発しているエンタープライズ(企業向け)にターゲットを絞っているようです。
ですが、PCのstemVRがワイヤレスで動作するので、個人的には一般ユーザーも購入してもいいのではないかと思います。
価格は日本では公表されていませんが、海外では通常バージョンが699USドル、アイトラッキングバージョンが899USドルとなっています。
最後に
海外では多くのレビューアーが手にして盛り上がっているのに、日本では情報発信がほとんどないため、まったく盛り上がっていません。
最近、日本で新しいゴーグルなどの販売がスルーされることが多いので、非常に残念ですが、日本でも最新のVRゴーグルが販売されるように普及活動に力を入れているので、応援よろしくお願いします。
VRに関することでわからないことがあれば、ぜひ私にご相談ください。よろしくお願いします。