VR動画の制作を検討している担当の方向けに、YouTube動画から学べる演出方法を解説します。
以前の記事で、オススメするVR動画を紹介したので、まずはこちらを見て下さい。
YouTube動画から学んだ良い演出方法の条件とは?
2.立体視を効果的に活用している
3.存在感を感じさせる
4.振り向かせる
「酔いにくい」演出とは?
YouTubeで見れるVR動画で、再生回数が多いなどの人気動画でもVR酔いする動画が数多くあります。
自分の体感だと全体の9割ぐらいの動画はVR酔いを考慮した作りになっていないです。
これが原因で、周りでVR動画を見た人の中で「VR=酔いやすいもの」として認識している人も多いです。
正直、VR動画を検索すると、ジェットコースター系の動画が上位に表示されますが、VRでジェットコースターは酔いやすく、あまり良いコンテンツではないと思います。
酔いやすい動画は力不足?
しかし、制作チームのメンバーで「VR=酔いやすい」と認識しているメンバーはいなくて、「VR酔いを起こしやすいコンテンツ=制作陣の力不足」と捉えています。
では、どうすれば酔いにくい動画を制作できるかというと、以前の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
「立体視を効果的に活用している」演出とは?
✔ 字幕やCGも立体的に見えるように編集
オススメ動画で紹介したアメリカの人気ヒップホップグループrun the jewelsのVR動画が参考になるかと思います。
動画では、ノートパソコンなど手前に立体感がある物を置いて撮影することで、全体的な立体感を演出しています。
手前に映るものほど立体的に見える
これは、立体視が撮影可能なカメラは、対象物の深度を読み取って、それを表現することで立体的に見える仕組みになっています。
なので、対象物との距離が離れるほど深度測定が難しくなり、立体的ではなくなります。
例えば、遠く離れた山の風景の凹凸を深度センサーで測るのは難しいですが、目の前にあるテーブルを読み取るのは難しくないと思います。
だから、ドローンで風景を空中撮影したVR映像に、立体的な臨場感がないことの理由の一つとなっています。
なぜ、立体視の演出を気にかける必要があるか?
VRではない通常の撮影であれば、被写体の前に目立つものは置かないという構図が一般的だと思います。
これは、通常の映像が「見せたいものに焦点を当てる見せ方」をすることに対して、VR動画では360度自由に見てもらうものなので、「すべてのものに焦点を当てた見せ方」を行う必要があります。
だからこそ、VRの特性を生かした立体感を出すために、「今まで一般的ではない手法の演出」を気をつけなければいけません。
「存在感を感じさせる」演出とは?
✔ 演者が目を合わせる
✔ 周りを確認させる
VR動画では、動画内に自分は存在すると認識できれば現実感が増すと言われております。
これは現実世界でも同じで、周りから無視されたりリアクションが無いと孤独を感じると思います。
VRでもコミュニケーションが存在感の鍵となる
VRも同じで自分に向かって話しかけられたり、目を合わせてリアクションがあると「そこにいる」というような存在感を感じることができます。
周りを認識する事も存在感が増す
周りを認識することで、自分がどこにいて何者なのかを確認できて存在感が増します。
例えば、狭い部屋にベットがあれば寝室だと認識できますし、部屋のカーテンや飾っているものを見れば、住人の性別や年代などを推測することができると思います。
このように、どこにいるのかを認識するだけで、自分は何者なのか、何をしているのかが想像しやすくなり、存在感が増すということです。
周りを見渡させる演出が必要
また、VR動画ではきっかけがないと周りを見渡すことが少ないので、周りを確認させる演出を取り入れることも必要となってきます。
「振り向かせる」 演出とは?
✔ 演者が誘導する
VR動画は360度見渡せるので、見せたいものを見せるためにカメラを動かすのではなく、体験者が顔を動かして見てもらう必要があります。
そのための演出として、CGやテロップで「右を向いて」などで誘導したり、演者の演出によって注目してもらう必要があります。
具体的には、おすすめ動画で紹介したマンマミーアの動画では、主演の人物が画面外に移動することにより体験者が追いかけるように顔を動かすような演出があったり、車椅子の演者がソロでダンスを踊っているときは、全員が演者に注目するように体を向けるなどの演出がありました。
このように、制作側が違和感なく見せたいものへ誘導する演出が必要となってきます。
まとめ:YouTube動画に学ぶ効果的な演出方法
・立体視を効果的に活用している
・存在感を感じさせる
・振り向かせる
VR動画の演出ノウハウはこれから
VR動画は新しいジャンルなので、まだノウハウが確立されておらず、皆さんも独自に演出方法を試されているかと思います。
だからこそ、良い演出をしているVR動画を参考にして、制作するというのは重要だと思います。
スターウォーズも真似から?
世界的に有名な映画「スターウォーズ」も黒澤明監督の映画を参考にしたと言われています。
実際、 スターウォーズでオビ=ワン・ケノービが宇宙人の腕を切り落とす演出が、黒澤明監督の用心棒に似ていたりするなど、様々なところで参考としている演出があると言われています。
すべての芸術は何かの模倣から始まっている言われているぐらい、真似をするというのは制作の第一歩だと思います。
だからこそ、制作に携わる方はYouTubeなどで良いコンテンツを沢山見て、参考にして下さい。
もし、VR動画の制作でお悩みであれば、私まで気軽にご相談下さい。