業界用語は使わない!?
先日、VRの医療分野で活躍されている Holoeyes(ホロアイズ) 創業者の杉本真樹先生がカンブリア宮殿で特集されるというので、楽しみに見ました。
番組の中で、MCの小池栄子さんや村上龍氏が ARデバイスである「Magic Leap One」を体験した時に「VRを体験するのは初めて」と言っている場面で、非常に違和感を持ちました。
番組内では、どんなデバイスが出てきても一貫して「VR」という言葉を使って紹介していました。
恐らくVR業界にいる人は、「それはARだろ」ってツッこんでいるかもしれません。
ARもMRも全てVRという言葉で統一していた
これは私にとって衝撃でした。
打合せなどでは、常に「ARの将来がこうなる」とか、「最終的にはMRはこうなる」とかジャンルを明確に分けて説明していました。
振り返ると、xR関連のセミナーでは、必ずと言っていいくらいARやVRなどの用語について解説する時間がありました。
例えば、「ARならポケモンGOが代表的な事例で、ARのAは「Augmented」の略で日本語では「拡張現実」と言います」など、業界全体で一般の人があまり知らない専門用語の解説をして自己満足になっていたのかもしれません。
専門用語の解説は業界人の自己満足かも!?
しかし、よく考えてください。
使う側にとってはARやVRの違いは関係ない。
自分たちの抱える課題を最新テクノロジーで解決してくれえればそれでいいはず。
そんな、使う側のことをあんまり考えずに、自己満足の状態になっていたのかもしれません。
それは、いつまで経ってもVRの普及が進まない原因の一つかもしれません。
VRは毎年「今年がVR元年だ」って言われていることもあります。
そんなことをこと番組中に気付かされました。
私達制作側ははまだ使う側の視点に立っていない?
ポイントの一つとして、なぜiPhoneが普及してブラックベリーが衰退したのかを考えて欲しい。
ブラックベリーが戦略を間違えたなど諸説ありますが、理由は簡単です。
iPhoneの方が使いやすいから。
使いやすいというのは、使う側のことを第一に考えたということ。
わかりにくい専門用語を使っている段階で、利用者側の視点が足りないのかもしれません。
ここでVRがでれだけ普及しているかの話
「VR」という言葉の認知率は91%
2019年の調査では、「VR」という言葉の認知率は91%と高いが、内訳では「どのようなものか知っていた」が53%とそれほど高くはありません。
認知はされているが、半数がよく知らないというのが実態となっています。
マクロミル社の調査によれば、15歳から69歳全体における「VR」という言葉の認知率は91%で、内訳は「どのようなものか知っていた」が53%、「名前を見聞きした程度」が38%という結果でした。
https://www.moguravr.com/macromill-research-2019-02/
VRヘッドセットの保持率は3%!?
デロイトトーマツコンサルティング合同会社 が2018年に発表した日本の調査データでは、国内のVRヘッドセットの保持率が3%となっていましす。
ただし、VRを趣味で楽しんでいる人や仕事で関わっている人は、一人複数台持っている人も多いと思うので、実際は1%未満だと考えています。
デロイトトーマツコンサルティング合同会社は2018年9月26日、各国のデロイトのテクノロジー・メディア・テレコムプラクティスが実施している「デジタルメディア利用実態調査」の日本における2018年版の調査レポートを発表しました。本調査レポートは14歳以上の消費者を対象としており、デジタルメディアの利用状況について年代別に動向をまとめています。記事ではこのうちVR/ARのデータについて取り上げています。レポートによれば、VRヘッドセットの保有率は2017年と変わらず3%でした。また、VRヘッドセットで各アクティビティを使用する頻度についての質問では、前年と同じく「ゲームで遊ぶ」用途が高い結果となりました。そのほかには「映画やテレビ番組の視聴」「教育」など幅広い用途で使用頻度が増加しています。
https://www.moguravr.com/vr-survey-2019/
VRは言葉は知られているが、普及はほとんどしていない
これからわかるのは、VRという言葉は聞いたことはあるけど、詳細はよくわからない。そして、VRヘッドセットはほとんど普及していない。
実際に、私の60代の親は両方とも「VR」という言葉を知っていたが、見たこともないので詳細はわかっていないです。
だから、自分が「VRで起業する」って伝えた時に大反対されました・・・。
実は普及に失敗した3Dテレビの方が普及していた
普及しなかったといわれている3Dテレビも一時期は20%も占めていたという事実があります。
よく周りで、「 3Dテレビと 体験のレベルが違うので、VRは絶対普及する」って言っている人も多いですが、私たち普及させる側はもっと危機感を持って取り組まなければいけないと思います。
だからこそ、もっと使う側の立場に立って考えなければいけない
きっしーが伝えたかったこと
使う側にとって「わかりやすい言葉」で伝えよう
さて話を戻すと、私が伝えたかったことは、
ARをバーチャル(仮想)って言っても、映像が空中に浮いて見える技術なので、バーチャル感があって違和感がないと個人的に思っています。
だから、CGや映像が従来のモニターから飛び出している技術は、全て仮想現実(VR)で統一しいいんじゃないかなと思います。
そうすると、ARやVRなどのジャンルの壁を超えて、もっと使う側にとって使いやすいコンテンツが生まれる気がします。(たぶんアップルが将来的にリリースするデバイスはジャンルの壁がないはず)
VRが普及しない原因は僕ら普及させる側が原因かもしれない
そんな事を杉本真樹先生のカンブリア宮殿の番組を見て考えさせられました。